●榊一郎インタビュー

【 榊一郎 ポリフォニカを語る! 】

ただいま絶賛発売中のキネティックノベル『神曲奏界ポリフォニカ』
キネティックノベルという新しい試み、そして榊先生の新しい作品である『神曲奏界ポリフォニカ』についてうかがいました。

共著された榊先生、武乃先生のほか開発を担当されたocelotの中の人に語っていただいたロングインタビューです。後半に重大発表がありますよ!

インタビュー:黒田和人(グループSNE)


●『神曲奏界ポリフォニカ』の世界

──まずはじめに榊先生に自己紹介などをお願いします。

榊 : 「軽小説屋」と自分では名乗っております、榊一郎です。富士見ファンタジアさんでデビューしまして、以降いろんなところで幅広くやっております。代表作としては、やはり『スクラップド・プリンセス』ということになるんでしょうか。現在では、周りから「いいかげんにしろ!」と言われるくらい手広く、いろんなことに手を出しているのが特徴ですかね。

──では早速ポリフォニカについて語っていただこうと思います。まず最初に「この物語はどこからきたのか」というのを伺いたいと思います。この物語はどんなときに訪れたんでしょうか。

榊 : 最初にocelotさんから「パソコンの画面で読める小説というものができないか」というお話をいただいたわけですが、いろいろありましてお話があった時点から企画提出までの時間が短かったわけですね。それで「変に凝らずにストレートに行こう」と考えました。
 で、私にとって一番なれているのは『スクラップド・プリンセス』の雰囲気なわけです。アレが一番長いですから、私の経験値も高いんですね。そういったわけで、「コメディも可能であるし、その背景でシリアスな話も可能である」というバランスでいくことに決めました。それから次に世界観をどうしようか、と考えました。


――榊先生のファンの方はよく「世界観の構築が魅力的だ」とおっしゃいますね。

榊 : ありがたい話です。それでまずは異世界物でいこうと。でもは私ハードSFは書けませんので(苦笑)、精霊とか魔法とかそういう話で考えました。
 あと私が作品を作る上でのクセというかこだわりとして、プロットの中になにか1つ「自分の趣味」を入れて、アクセントをつけるやり方が多いんですね。それで今回は「音楽」をなにか使おうと思いました。私が昔バンド演奏をやっていたこともありまして。
 音楽という意味では、『ストレイト・ジャケット』のネーミングに音楽を使っているのですが、それよりはもう少し作品の中に音楽を入れてみようと思いました。
 あともう一つの要素として、「精霊をテーマにして何か書いてみたい」と前から思っていたのですよ。それで精霊を入れてみようと。「精霊というのは精神体に近い」という解釈があるじゃないですか。


──ええ

榊 : その解釈で考えたときに、「そういう存在と契約を結ぶときに、何を報酬として与えることができるか」という問題にあたったんですね。
 で、実は我々「クリエイター」とよばれる人たちが小説とか絵とか音楽とか、本来は形をもたないもので読者さんとかユーザーさんの支持を得ているというわけです。この感覚というものを、作品にそのまま代入できないかと考えました。
 自分のつくっているものが「正しいのか」「面白いのか」という確信がないままで、それでも「これを提示したら喜んでもらえるのではないか」というものを一生懸命つくっていく。この感覚を主人公に持たせてみたかったんです。この場合は「キネティックノベル」という媒体で、BGMもあることですし、「音楽」というものがちょうどいいかな、と。


──それで、「音楽」を報酬として精霊と契約する物語ということですね

榊 : 精霊と人間が共存している世界、これが最初のとっかかりですね。あとはイモヅル式に、演繹法や帰納法を用いてあたりまえのように構築している世界だと思います。

──この「ファンタジーと現実がいい感じでバランスのとれた世界」というのは最初から一発で決まったんでしょうか、それともジリジリと動いて今のところにおちついたのでしょうか?

榊 : どちらかというと、じりじりと動いていったほうですね。最初はスチームパンクでいこうと思っていたんですよ。

――スチームパンクというと、「蒸気機関が発達して、違う方向に科学が発達した世界」というジャンルですね。日本で一番有名なのは『サクラ大戦』でしょうか。

榊 : なぜスチームパンクにしようと思ったかというと、完全なファンタジーにしてしまうと、既存の作品との差別化が難しいからなんです。完全なファンタジーだといろいろなパターンが完成してしまっているので、こちらが意図しなくても既存のものと類似してしまう可能性があるかもしれないわけです。そうすると作品の「サプライズ」というのが少なくなるので、これは少しよくないぞと。
 もう一つには、私は音楽は音を重ねれば重ねるほど分厚く美しくなっていくと思っているのですが、そうすると「一人が歌っているだけ」というのはハッタリが効かないように思えたわけですね。そこで「本来何人かで演奏するべき楽器を一人で演奏する」と、凄いという感じが出るんじゃないかと。それならば、ある程度機械が発達している時代が望ましいわけです。


――作中で登場する単身楽団(ワンマンオーケストラ)ですね。だから、できれば機械が発達している世界を舞台にしたかったということですね。

榊 : はい。ですから中世よりは近代、近代よりは現代のほうがいいと思ったわけです。それでスチームパンクを考えたのですが、スチームパンクでいく場合、キャラクターや精霊まわりの設定だけではなく、蒸気機関を前提とした「建物」や「乗り物」とかとか、そうしたものの設定をぜんぶ作中で描写しなければならないわけです。

――それはそれで大変ですね。

榊 : そこで、スチームパンクにこだわるよりは、限りなく現代に近い世界にしようと考えました。今の世界に近いところに精霊が登場するほうが、読者のみなさんも世界に入り込みやすいと思いましたし。

――先ほど「既存のものとの類似の回避」というお話が出ましたが、「単身楽団(ワンマンオーケストラ)」が類型を見ない概念ですね。あれは凄いというか、格好いいと思いましたが、やはりバンドの経験からきたものですか?

榊 : バンドをやってる方とか、ライブとかをご覧になられる人は分かって頂けると思いますが、キーボーディストがソロをやるときのキーボードブースというのは戦闘機のコクピットみたいなんですね。あの格好良さが出せないものかとは昔から思っていました。
 しかし精霊使いが毎回毎回「よっこらしょ」と広げるのは格好悪いので、それは何かボタン一つでガシャっと展開する方がいいかな、ということでああなりました。
 ということを色々考えていると、あの世界においては別のバージョンとして、「車とかバイクにセットされていて車とかバイクの操縦席がワンマンオーケストラのシートになる」というものも存在しそうだなあ、とかいろいろ考えたりしますね。それはまだ出てくるかどうかわかんないんですけど。出せるといいなあ。


●榊一郎、「テーマ」を語る

――ここからは榊先生との共著で『神曲奏界ポリフォニカ』を執筆された武乃忍先生にも参加して頂きます。それでは先生、自己紹介をお願いします。

武乃 : メディアファクトリーさんの『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』のノベライズで、榊先生との共著でデビューさせていただきました。まだ勉強不足なところがあるとは思いますが、いろいろ頑張っていこうかと思っています。

――では次に物語のテーマについてうかがいます。

榊 : 私が作品を書く場合には、なにかテーマというものが必要だと思っています。明示的なテーマのない作品でも成立はしますし、需要はあるとは思います。でも自分が受け手になったときに「落ちてない作品」というのは、読んでいて「え? これでいいの?」と感じてしまうんですね。ですから、やはり自分で書くぶんには「きちんと解決された話」でないと不安になるんです。ですからなにがしかのテーマが欲しくて、分かりやすいテーマを書くと「語ってしまう」と。作中でテーマを強調するから、「説教屋」とかも言われてますけどね。

――今回も語ってますよね。

榊 : ええ(苦笑)。で、テーマというものには驚きというかサプライズが必要だと感じました。サプライズがないテーマというのも成り立つとは思いますが、そのままだとつまんないですし。ひねるためには努力が必要で、それはそっちのほうが大変ですから。
 そこで何をそのサプライズに持っていこうかというのを考えたときに、専門学校の講師をやっていたときのことを思い出しまして。


――小説の講座をもっておられましたね。

榊 : そのときの生徒さんの中には「小説家になりたい」という人と「小説を書きたい」という人がいて、これは違うんですよ。いろいろ考え方があるのだなあ、ということに非常に強い衝撃をうけたんですよ。このことをいつか話にしたい、とは前から思ってました。

――その立場に憧れるという奴ですね。

榊 : これは私が小説家だから感じたことで、別に「マンガとマンガ家」でも「歌と歌手」でも成り立つと思うんですけどね。立場に憧れるか、作業に憧れるかという話で。
 私は「小説家になりたい」と思うことは悪いことではないと思うんですよ。ただモチベーションの問題で、最後の一線で頑張れるというか、いい作品をつくれるという人は、「小説を書きたい」という人が多かったと感じているのですね。そのへんを落ちにしておくと、いいサプライズになるだろうと。
 そんな構想を練りつつocelotさんと相談をしていると、「学園物はどうだろうか?」という話になりまして、「じゃあ音楽を学ぶ学校の話にしよう」という方向におさまりました。


――武乃先生は以前、榊先生の「生徒」という立場だったんですよね。

武乃 : はい。それで「君もそういう学校にいただろう」と榊先生に言われました。その学校の雰囲気も覚えているだろう、ですとか。

榊 : 学校では色々あって面白かったね。「くだらないことを教えているなあ」とか思わなかった?

武乃 : いやそれは(苦笑)。むしろ「凄いことを教わった」という驚きとか、いろいろありました。せっかく学校に来てるのに無駄にしてる人とか、ちょっとしたヒントですごく伸びる人とか、それをみて取り残されて慌てる感覚ですとか……。そういうものにあわせて書いてみては、というアドバイスを頂きました。

榊 : 人物はオーソドックスな配置はしてるんだけど、あれはお互い実体験を代入してるよね。

――途中ででてくる「神曲楽士の志望動機」とかがやけに生々しいとは思いましたが……。

榊 : いやあ。あれはそのまんまですから。

武乃 : 僕が小説の専門学校に行ってたときに出会った同級生に、いろいろと面白い人がいました。いえ、あまり他人のことは言えないんですけど。その時に、「創作者を目指す人には結構いろんなパターンがある」という点が面白いと感じました。

榊 : その時に「モチベーションは大切だ」と感じましたね。というか「才能」というのはモチベーションを維持し続けることではないかと。武乃くんなんかはそのへんどう思ってた?

武乃 : モチベーションが大切、というのはすごく分かります。学校に行ってた頃よりも、むしろ学校を卒業した今のほうが強く感じます。同級生で、明らかにセンスはいいんですけど、モチベーションを維持できずに消えていった人とかいますから。


――『神曲奏界ポリフォニカ』でいえば、「フォロンがモチベーションを喪失から回復するまで」というのが主なテーマですね。

榊 : 最初からそれを自覚しているキャラクターでは物語にならないんですよ。最初からないキャラクターもドラマにならない。忘れていて、思い出すのがフォロンの物語ですね。そしてあらかじめ(モチベーションを)持っていて、迷いなく実行しているのが横にいるレンバルト。持っているんだけどあからさまに勘違いしてるのがダングイス。フォロンと同じパターンなんだけど、忘れなかった人というのもあっていいだろうというのが、もう一方の主人公であるユギリ姉妹であると。


●キャラクターのひみつ

――流れ的にキャラクターの話になりましたが、具体的にモデルがいるキャラクターとかはいるのでしょうか。

榊 : 完全なモデルというのはあまりないですね。ところどころ参考にしてる人やエピソードはありますが。

武乃 : 先ほども話に上がりましたが、神曲楽士の志望動機なんかは本当にそんな人がいましたから。

――例えば主人公のフォロンなんかは、例えば自分を投影してたりします?

榊 : キャラクターの描写は基本的に武乃くんの構想なので、武乃くんから。

武乃 : こんなふうにモチベーションを失わないように、とか自戒の念とかそういうものを投影してたりはしますが、具体的にはモデルというわけではないですね。あんなにモテモテじゃないですし。

――一番出番が多いのはコーティカルテですね。

武乃 : 個人的にはツンデレにちょっと興味があったのですよ。それをやってみたいという気持ちが強かったんですよ。それで、それを意識しました。

――ツンデレといっても、いろいろと定義がありますが?

武乃 : 他の人の目があるところではツンケンしているけれども、二人きりになるとデレデレしているというやつです。

榊 : ツンデレってよく言われるけどネコだよね。

武乃 : そうですね。基本的に構って欲しがりなんだけれども、向こうが気乗りしないときは全然相手にしてくれないというか。でも小動物がなついてくれるのってすごく可愛いじゃないですか。それを精霊というか女の子で描写すると、魅力的に見えるのではないかと。

――それに対抗するというわけではないですけど、ペルセルテは好き好き光線を発射しまくりですよね。

榊 : コーティカルテがネコとするなら、ペルセルテは完全にイヌだよね。

武乃 : 「自分を好きでいてくれる」という気持ちにもいろいろあるわけで、そういう差別化は意図して書きました。ひたすら自分のあとをついてきてくれる存在ですね。

――それを止めるのがプリネシカですか。

武乃 : 暴走しがちなペルセルテを止める役ですね。僕の個人的な思い入れとしては、「実際には妹であるにもかかわらず、立場的には保護者というかお姉さん」という、微妙なねじれというかアヤがいいかなあと思ってます。

――ユフィンリーはちらっと出てきただけの割に、結構印象的ですよね?

武乃 : 僕は先輩のユフィンリーが一番好きなんですよ。年上のお姉さんで。

榊 : そうかー。年上萌えなんだー(笑)。

武乃 : キャラクターのなかで、フォロンに対してお姉さん的な立場にいるのがユフィンリーなんで。導いてくれる存在というか、先にいっている人という立場は彼女しかいないわけなんですよ。学長はちょっと先に行きすぎてる感じだし、男性キャラはむしろ自分と似たような位置というわけで。

――個人的にはギガちゃんがツボに入ったのですが。

榊 : えっと(苦笑)。あれはですね、最初はもっとまともな名前だったんですよ。クピクピなくからクピちゃんだったはずなんですが……。

武乃 : それはそれでよくあるパターンといえばよくあるパターンなので、ちょっと代えたほうがいいと指摘されまして。ペルセルテはふつうに可愛いキャラクターなんですけれども、「ふつうに可愛いキャラクターはいくらもあるぞ」と。それでどこかに「ヘンさ」というか、違いを出さなければならないと感じまして。

榊 : それで、「例えば精霊に濁音がたくさんついたエグそうな名前をつけるようなキャラクターということにするといいかもね。ギガちゃんとか」といったら──。

武乃 : そのまま使わせていただきました。

――なるほど。

榊 : あれこそ極まった小動物ではないかと。

武乃 : あんまり自意識はないんだけれども、ちゃんと命をもっている下位精霊、に対する僕なりのイメージというか。ハムスターなんかがああいう感じですよね。

――武乃先生が一番好きなのはユフィンリーという話でしたが、榊先生が一番お気に入りのキャラというのは誰になりますか?

榊 : 読者の目として可愛いというか好きなのはペルセで、いじりがいがあるのはコーティかなあ。ペルセは直球じゃないですか。これはこれで素直なんだけど、著者としていじる余地はあまりないですから。いろいろやらせて面白いのはコーティのほうですね。

武乃 : そのあたりは神奈月さんの絵にもかなり左右されてると思います。

榊 : 今回は作業手順として、まずかなり早い段階でキャラクターの絵があがりまして。そこに代入していくというのは、確かに自由度は下がるんですけど面白かったですね。




●『神曲奏界ポリフォニカ』の未来

――お話として完結はしてますけど、謎とかが残ってますよね。で、読者さんの感想としては「続きは?」という話が多いのですが、続きはどうなんでしょうか?

榊 : 2話もやります。

――おおー。これは重大発表ですね!

榊 : 進行状況なんですが、いま武乃くんの分の2巻の原稿を見て、いろいろとすりあわせているような状態です。

武乃 : 世界観に大きく関わる部分ですとか、榊先生が判断したほうがよさそうな部分なんかを今見てもらっているような状態です。

――段取り的にはわりと遠くないころに出るような感じですね。それに関してはocelotの中の人にお話をうかがいたいのですが。

ocelot : リリースの時期についてはまだ未定の部分もありますが、遠からず2話は出ます! スタッフ全員が、続編に関わりたくてうずうずしてますから(笑)。

――それは楽しみですね。2話の内容はどうなっているのでしょうか?

榊 : 2巻はユギリ姉妹の話になりますね。多分彼女たちのほうが人気あるんで(笑)

武乃 : 全部が全部、ユギリ姉妹の話というわけではなくって、いろいろと要素の多い話です。

榊 : 世界の謎が発掘されていく話ですので、この世界を気に入って頂いた人には楽しんでもらえると思います。

武乃 : あと、精霊を使った戦闘があったります。

榊 : プロローグは世界の紹介と出会い。1話はフォロンのモチベーション回復編。で、悩みがなくなった主人公は何かと戦わなければならないわけです。楽しいばかりではないというか、2話の冒頭は結構ビックリするような話ですね。

武乃 : プロローグや1話からアレを予想できる人はあんまりいないのではないかと思います。そういうところを期待してください。

ocelot : 制作サイドの話をさせていただきますと、1話のときには完成原稿を頂いてから演出などを考えていたのですが、こちらも経験値があがったので今度はさらに完成度を高くできると思います。

榊 : 横書きのモニターで見るとちょっと印象が違うので、こちらもすこし合わせてみようと努力はしています。まああんまりかわらないとは思いますが

ocelot : この企画としては、まず作品を「ふつうの小説として書いていただこう」と考えています。それを音楽や絵でフォローする形です。キネティックノベルのなかでも小説寄りといいますか、「榊先生の小説を読んでいただく」というスタイルです。

――その後の展開とかも決まっているのでしょうか?

榊 : まずですね、学園物にしようという話になったときに、だいたい全4話くらいで卒業するようなスケールにしようと考えて作成しております。

ocelot : もちろん完結まできちんとやりますので、発売されましたらよろしくお願いします。

榊 : それとは別にですね、企画の早い段階では一人前のダンティストであるフォロンが活躍する話を考えていたのですよ。実際の形になるかどうかはまだ確定していませんし、キネティックノベルという形になるかどうかもわからないのですが、そちらのほうも一応世に出したい方向で頑張っています。

――そろそろまとめる段取りなんですが。まずは「すでに読まれた人向けに、もう1回ここに注目して読んでほしい」という場所がありましたら。

武乃 : フォロンとペルセとかフォロンとコーティのやりとりを書いてるときが面白かったんですよ。どちらかというと本題に関わるところよりも、馬鹿話というかドタバタしているところが楽しかったので、そういうところを読み飛ばさずに目をやっていただけると楽しんで頂けると思います。

榊 : 一話目でわりと見抜かれてるんですけど、タタラって和風で、フォロンは洋風の名前なんですよ。この統一のとれなさを逆に利用してあるんですね。実は「何十年か前に何か事件というか出来事があって、人間たちは精霊に対して非常に好意的をもっており、子供に精霊風の名前をつけるのが流行った」みたいな裏設定がありますので、そういうところに思いをはせながら読んで頂きたいと思います。

――では「これから読みたい」と思ってる人に、最後に背中を押す一押しをお願いします。

武乃 : とにかくキャラクターが可愛いですし、神奈月さんの絵もかわいいですし、いろんなタイプの女の子もでていますので、そういう面でもお勧めですので、ぜひ読んでください。

榊 : 私の作品の中で一番売れているであろう『棄てプリ』を榊一郎の本道とするならば、シリアスとコメディのバランスであるとか、テーマ制、そういったものをふくめて、直系の後継はこれです。他の作品はどちらかによっているので、『棄てプリ』のノリに一番近いのはこれなので、あれを面白いと思ってくださった人は面白いと思って頂けるかと思います。私の作品の中でも一番バランスがとれていると思いますので、少なくとも「全然ダメだった」ということはない、という自信はありますので、よろしくお願いします。

──まだまだ展開が広がりそうな雰囲気ですが、それは今後のお楽しみということで。本日は、ありがとうございました。


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